金融市場が荒れ模様だ。連休明け14日の東京株式市場は、世界経済の減速懸念を受けた米株安と円高の流れを受けてほぼ全面安の展開となり、日経平均株価は1万5000円を約2カ月ぶりに割り込んで取引を終えた。外国為替市場では、安全資産とされる円を買う動きが強まり、円相場は一時1ドル=106円台まで急伸。相場の急変動で日本経済の先行きに暗い影が忍び寄っている。
欧州不透明感のあおり
日経平均の終値は5営業日続落し、前週末比364円04銭安の1万4936円51銭。9月中旬には年初来高値水準となる1万6200円台をつけていたが、わずか半月ほどで1000円超の下落となった。直接のきっかけは、前日の米ニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均の終値が前週末比223ドル安と約半年ぶりの安値をつけたことだが、背景には欧州を中心に世界経済の先行きに不透明感が広がっていることが挙げられる。
甘利明(あまり・あきら)経済再生担当相は14日の記者会見で、「世界経済に不確実性が広がっている。日本経済はこのあおりを受けている」と分析。一方で、「個人消費は弱含んでいるが、企業収益は過去最高で、雇用情勢の改善は堅調、設備投資意欲も旺盛。個々の要素はいい」と強調したが、「日本の景気回復のもたつきが株価に反映されている」(エコノミスト)との見方もある。