空港・港で警戒厳しく
全入国者に流行国での滞在歴を確認する対策は24日に始めたばかり。きっかけは今月中旬、沖縄県の病院で起きた事例だった。
事情を知る国立感染症研究所によると、西アフリカのリベリアに出張で約10カ月滞在した沖縄県の60代男性が、帰国10日目に発熱、高度な対応ができる指定医療機関ではなく、かかりつけの医院を訪れた。
医師は抗菌薬を処方したが体調は回復せず、男性は別の病院を受診。病院では男性のリベリア滞在を把握したが、特別な感染対策はせず対応したという。
結局、男性はマラリアと判明したが、感染研の大石和徳感染症疫学センター長は「医療機関側には西アフリカからの帰国後の発熱に対する認識が全くなかった。対応した事務員や看護師、当直医は防護服を着ていなかったし、検体も普通に扱っていた。もしエボラだったら…」と振り返る。