痛み止めは、柳の枝の成分から発見されて精製、合成されるようになったサリチル酸から始まります。その後、より作用を高めたアセチルサリチル酸がドイツのバイエル社で開発されました。アセチルサリチル酸は、現在でもバファリンやエキセドリンに使われています。日本では、温泉の洗面器で有名なケロリンに使われています。
プロスタグランジンという物質が作られると、私たちは痛みを感じます。アセチルサリチル酸は、プロスタグランジンを作り出す酵素をブロックして痛みを減らしてくれます。効果を高めるため、痛み止めにカフェインや鎮静成分を混ぜた薬も販売されています。
元になる原因を解決しないで、こういった痛み止めを連用していると、痛み止めが切れることでより強い痛みが起きてくるようになります。頭痛の場合は「薬物乱用性頭痛」と呼ばれます。痛み止めが手軽に手に入る環境になりましたが、常用すべき薬ではないことを覚えておきましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)