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【野口裕之の軍事情勢】「空の腹切り」「肉攻」に学ぶ対露戦略 (2/7ページ)

2014.10.6 06:00

北方領土の国後島に配備されたロシア軍のT80型戦車。「力でしか現状変更しない国」と外交決着を図るには、畏怖させる覚悟だけでも示す必要がある=2011年2月19日(提供写真)

北方領土の国後島に配備されたロシア軍のT80型戦車。「力でしか現状変更しない国」と外交決着を図るには、畏怖させる覚悟だけでも示す必要がある=2011年2月19日(提供写真)【拡大】

 北方領土などに対するソ聯軍侵攻での死傷者8万4000。過酷な強制労働により屍(しかばね)の山を築いたシベリア抑留者110万。安倍氏は、祖国に生還寸前だった同胞に想(おも)いをはせていない…。

 必要な畏怖させる覚悟

 「軍事は外交の一部」との国際常識を日本に求めるには、日本の国情は極端に国際とかけ離れている。領土問題で、ロシアが日本を交渉相手と扱ってきた理由は、日米同盟を意識してのこと。軍事が外交とリンクできない圧倒的不利な前提に目をつぶって尚、軍事・外交面で世界屈指の薄汚い手法を用いるソ聯→ロシアと外交決着を図るには、彼の国を畏怖させる覚悟だけでも示唆しておかねばならない。以下に触れる逸話とまでは昇華できずとも「平時の覚悟」は為(な)せば成る。

 昭和20(1945)年8月、大日本帝國(こく)陸軍の軍人が示した覚悟は、ソ聯軍将兵を震え上がらせ、絶望的状況を挽回した。

4機は奉天=瀋陽の飛行場に帰還せんとするが…

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