一度は絶滅寸前まで減少したカリフォルニア・シロナガスクジラの数が捕鯨による乱獲前の19世紀のレベルにまで回復し、自律回復可能な個体数に戻ったことが、米ワシントン大学の研究チームによる調査で8日までに分かった。調査によると、太平洋の東側に生息するカリフォルニア・シロナガスクジラの個体数は約2200頭で、捕鯨が行われる前の水準の約97%に相当するという。捕鯨禁止など人間の努力によって自然が回復し得る好例として、ロイター通信や英BBCなどの欧米メディアが大きく報じた。
露の閉鎖体質「壁」に
シロナガスクジラは最大で体長約33メートル、体重約190トンに達する地球上最大の動物で、英名は「BlueWhale」。先日、南米アルゼンチンで化石で発見された世界最大級の草食恐竜でも体長は約26メートルで、現存する生物で最大であるばかりか、恐竜などかつて存在した全ての生物と比較しても、最大の生物になるという。
その巨体ゆえ、他の生物に襲われることもなく、当初は全世界で約30万頭いたと推定されている。ところが19世紀に入り、造船技術が向上すると、灯火用の燃料油やマーガリンの原料など多用途に使える鯨油を求めて人間による捕鯨が始まり、巨大で一度に大量の油を採取できるシロナガスクジラは乱獲されるようになった。