ジャングルからもたらされた有機物を含み、茶色く濁った水流がゆっくりと河口へ流れていく。ここは世界一の流域面積を誇るアマゾン川沿いにある都市マナウス。前を流れる水は、全世界の河川から海に流れ出す水量の約20%に及ぶといわれる。幅広の川面を、フェリーが緩慢なスピードで行き交う。船上から眺めれば、川岸では子供が川に飛び込んで水遊びに興じ、母親たちがおしゃべりしながら洗濯をしている。大いなる自然のリズムに合わせるように、そこで暮らす人々の生活もどこかのんびりしていた。
河口から約1500キロ遡(さかのぼ)ったところにあるマナウスから、さらにフェリーで3日間ほど奥地へ行くと、マミラウア自然保護区がある。保護区内では、シラサギの家族が水面ぎりぎりを優雅に滑空し、ピンクイルカが気まぐれに一瞬だけ水面に背びれを見せては水中に潜り込んでいく。その自由な振る舞いを見ていると、ここが動物たちの楽園だと改めて気がつく。
真上から降り注ぐ太陽の光を受けたボートがさらに進むと、水上に浮かぶコテージが見えてくる。マミラウア・ウアカリ・ロッジは、観光客が唯一滞在できる施設。ガイド付きジャングルツアー、食事、宿泊までがすべてパッケージになっている。