難民キャンプが出撃基地
イスラエル軍が02年、ジェニン難民キャンプに進攻した際も、同種のプロパガンダが横行した。パレスチナ側は「500人以上が虐殺された」と発表。世界のメディアで《ジェニン虐殺》の見出しが躍った。
ところが、難民キャンプはテロリストの出撃基地と化していた。虐殺現場や大勢の死体を目撃したとする具体的証言はなく、大方の記事はパレスチナ側発表に拠った。パレスチナ側が、具体的裏付けのない“虐殺証言”を繰り返すのなら、イスラエル側に取材するしかなかった。ジェニンで、イスラエル軍の軍医・衛生兵の総指揮を執ったダビデ・ザンゲン予備役軍医少佐=当時(43)=はパレスチナのテロ戦術をこう説明した。
「2老女と男が手を挙げて近付いてきたが、3人の間をぬって、後ろに隠れていたテロリスト2人の銃が火を噴いた」
「イスラエル兵4人が不審な13、14歳の少年に尋問しようと追い掛け、家屋に入ったところ爆発が。別のイスラエル兵が救援に急行したが、待ち伏せ攻撃を受け、13人が戦死した」