肉は細かくカットされて包装され、袋に記した新たな使用期限は1年後になっている。この作業は工場の幹部から使用期限を改竄(かいざん)するよう指示が出たことを受けて実施されていた。
2008年1月に中国製ギョーザ中毒事件が発覚し、9月には有害物質メラミンに汚染された粉ミルク流通事件が問題化したことを受け、中国では09年に食品安全法が施行された。
食品安全法では期限切れの原料の使用を禁じているが、上海福喜食品上層部は法律無視を命じ、現場も指示に従っていた。
コストを下げるため、販売基準を満たさない不合格品の使用も日常茶飯事だった。マクドナルド向けのハンバーガー用のビーフパティ(牛肉)を生産する際には、現場の責任者自らが不合格のパティを攪拌(かくばん)機のラインに投入。