文氏の出身母体も黙ってはいなかった。中央日報は(6月)25日の社説で、世論の攻勢の前に朴氏が「指導者の勇気を譲り渡した」と痛烈に非難。「朴大統領は原則より現実的な負担を重んじた。自身が主張した『原則と信頼』に背く。原則の力を失い、国政を今後どう主導するのか」と牙をむいた。物事を独断で決め、年初の会見以降、一度も記者会見を開かず国民への説明がないことに対しても、7月1日の社説で「大統領は首相人事で国が揺れても宮廷に一人で座っている」と皮肉った。
文氏の発言からは、日本に要求するばかりでなく、韓国人自ら反省すべきは反省すべきとの姿勢がうかがえる。迷走した首相人事で、朴氏は、国民の信頼とともに、関係が冷え込んだ日本とも向き合える“適材”を逸した。(国際アナリスト EX/SANKEI EXPRESS)