韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は5月19日、300人以上の死者・行方不明者を出した旅客船セウォル号沈没事故に関する国民向け談話を読み上げ、韓国海洋警察庁の救助活動が事実上失敗したと指摘し、海洋警察庁を解体すると表明した。
朴氏は「国民の受けた苦痛に心からおわびする」と述べ、頭を下げて謝罪した。今回の事故に「まともに対処できなかった」と政府の不手際を認め、その最終責任が「大統領である私にある」と明言。読み上げの後半で乗客を救助しようとして亡くなった一部乗務員の名を読んで涙を流した。
朴政権への中間評価とされる6月4日投開票の統一地方選を前に、事故対応をめぐる政権批判が強まっていた。朴氏は改革への努力を強調することで局面転換を図りたい考えだ。
しかし、残る行方不明者の捜索を主導している海洋警察の解体を発表しながら、不明者の存在に言及しなかったことに家族からは強い反発が出ている。
海洋警察の業務のうち、捜査や情報収集は警察庁に移管し、救助や救難は新設方針の「国家安全所」に移すとしている。