「戦禍に巻き込まれた子供たちにはきっと悲しい記憶が怒り、憎しみとなってよみがえる。無差別攻撃は復讐の連鎖を生むだけなのに…」と、アグネスさんは唇をかむ。
一方、アフリカでGDPが最大規模になったナイジェリアでは、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が女子生徒ら270人を拉致する事件が発生。ボコ・ハラムは女子に対する西洋の教育は罪だとアピールするが、アグネスさんは「それは口実」と指摘。「女子生徒たちを売り飛ばしそれを資金源にすることが成功するなら、こうした事件が続発する」と憂いている。(文:編集委員 巽尚之/撮影:日本ユニセフ協会/SANKEI EXPRESS)
■アグネス・チャン 1955年、香港生まれ。72年から日本で本格的な歌手活動を開始。73年上智大学入学。92年米スタンフォード大博士課程修了。98年日本ユニセフ協会の初代大使に就任。ユニセフ大使としてタイや南スーダンなどを訪れ、児童買春や人身売買などの問題を解決する糸口を探る。