北朝鮮が複数の政治犯収容所で施設を増設し、規模を拡張させていることが4月6日、複数の消息筋の話で分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の叔父、張成沢(チャン・ソンテク)氏の粛清に絡み、幹部ら約1200人を近く処罰する見通しであることも判明。大量処罰に伴い、増設を迫られたとみられる。
北朝鮮の内部情報に接する消息筋らによると、敷地の拡張や建物の増設工事の動きが確認されたのは、咸鏡北道(ハムギョンプクド)にある化城(ファソン)16号と清津(チョンジン)25号、平安南道(ピョンナムド)の北倉(プクチャン)18号の3収容所。いずれも最も管理が厳しく「生きて出られない」といわれる「完全統制区域」で、受刑者は核施設建設など過酷な労働も強いられるとされる。
昨年(2013年)12月の張氏処刑以降、秘密警察の国家安全保衛部などが大規模な内部捜査に着手。政権が一方的に断定した「張派によるクーデター」に「主導的に関与した」として、朝鮮労働党や朝鮮人民軍幹部ら約200人と、それに「何も分からずに従った」として、周辺の幹部や家族約1000人を選別して身柄を拘束したという。