何度も旅した道があります。それは、トルコからイスラエルを経由してからのエジプトへの道。ひかれた理由の一つとして「食」があります。トルコのスープのおいしさに驚いているとき、調味料で使っている中東のワインがおいしいことに気がつきました。世界三大料理に「トルコ」が入るくらい、中東の料理はおいしいのです。それからというもの、作っている風景が見られる場所で、調味料に使われているワインがどこ産なのかを見るのが私の趣味の一つに変わりました。
『おいしい中東 オリエンタルグルメ旅』(双葉社、900円)は、サラーム海上さんによる、トルコ、レバノン、モロッコ、エジプト、イエメン、イスラエルの6カ国で味わった食紀行と、日本の家庭で作れるレシピを52品も紹介した文庫本です。527ページにもなる本書の重み以上に、おいしさが詰まっています。旅から帰ってきて、旅の思い出の記憶をたどったとき、また食べたくなりませんか。自分のおうちで作ってみて、旅の余韻に浸ってみる一冊にしてください。(“旅の本屋”BOOK246/SANKEI EXPRESS)