世界を旅して周っているとき、一番楽しくって、パワーを持っていたのは、そこに住まう人たち、そこで出会った人たちでした。いつのまにか私の旅は、人と出会うことが優先に変わっていました。人と出会い、時間を共有する濃さはなかなか伝えにくいものですが、今回ご案内する写真家・竹沢うるまさんの「旅」は、その濃さが目に見えるように思います。
「Walkabout」(小学館、3360円)は、うるまさんが1021日103カ国を巡る旅で撮影された35万点の中から厳選した280点を収録する写真集。一枚一枚の写真から放たれる圧倒的な濃さに、見ている私もおなかいっぱいになってしまいます。うるまさんの旅先での経験があまりにも濃かったからでしょう。