旅をしていて一番思ったことは、現実がどれだけ幸せだったのか。安心で安全でなんとか生きていける日常がどれだけ幸せだったのかということでした。本日は、そんな日々の輝いた世界にご案内致します。
透明感あふれる写真を撮られる中川正子さんの最新作「IMMIGRANTS」(OCTVAUS、3885円)は、3・11以降に住み慣れた東京を離れて移り住んだ、誰一人知り合いがいない岡山で知り合った友人たちの暮らしを紡いだ写真集です。不安でも悲しくても、食べて、耕して、育てて、眠って。人々が生きる様は、底知れぬパワーを持っているのだなと思わずにはいられません。自分の日常の世界をしっかり目で耳で五感をフル活用して感じよう。私は強くそう思いました。