一方、首相は集団的自衛権行使の対象となる国に関しては微妙な発言をしている。日本が同盟を結んでいるのは米国だけ。対象は米国のみだと思われがちだが、首相は「同盟関係ではなくても自国と密接な関係にある国に対しては、集団的自衛権の権利を持っている」と述べ、米国だけだとは断定していない。
同盟国以外も対象か
外務省幹部は「首相の念頭には韓国があるのだろう」と読み解く。また、防衛省幹部は「あえて明言しないことで、日本の仮想敵国に対する無言の抑止力となる」と語る。
ただ、首相は無制限に集団的自衛権を行使することを明確に否定している。首相は(2月)10日の衆院予算委で、「(安保法制懇では)相当限定的に議論されている。全体的に認めるということはない」と述べた。