【安倍政権考】
旧ソ連から独立したベラルーシの大統領選取材のため、2001年9月に訪れた首都ミンスクでの「あの光景」が、頭の中によみがえった。
「欧州最後の独裁者」と形容されるアレクサンドル・ルカシェンコ大統領(59)が、政府機関の総動員や野党候補への弾圧などを駆使した露骨な不正選挙で“再選”された直後に開いた祝勝会の場面だ。ルカシェンコ氏が懸河の弁で並べ立てた美辞麗句に、会場を埋め尽くした政府、議会関係者や支持者が機械の如く呼応し、万雷の拍手を送っていた。
15年ぶりの躍進
朝鮮半島の彼(か)の独裁国家での似たシーンを映像でしばしば目にするが、日本共産党が1月15~18日に静岡県熱海市の党員研修施設「伊豆学習会館」で開催した第26回党大会も然りだった。志位(しい)和夫委員長(59)が壇上で発する自画自賛の要所要所で、全国の党組織から選ばれた約1000人の代議員の間で大きな拍手が巻き起こった。あたかも台本があるかような、一糸乱れぬ所作だった。筆者には約13年前にミンスクで目の当たりにした不気味で滑稽な風景とだぶった。