≪ぶれない政策 野党分断も念頭に≫
安倍晋三首相(59)は1月28日の衆院本会議で、NHKの籾井勝人(もみい・かつと)会長(70)が就任記者会見で慰安婦問題に言及したことについて「政府としてコメントすべきではない」と答えた。その上で、野党の批判を念頭に「新会長をはじめNHK職員の皆さんはいかなる政治的圧力にも屈することなく、中立、公平な放送を続けてほしい」と述べ、辞任の必要はないとの考えを示した。
靖国神社を参拝したことについては「国のために戦い、尊い命を犠牲にした方々に尊崇の念を表し、冥福を祈るのは国のリーダーとして当然で、世界共通の姿だ」と重ねて強調。靖国神社に代わる無宗教の国立追悼施設にも「外国の意向を忖度(そんたく)して決めるものではない」と述べた。
集団的自衛権の行使を容認する憲法の解釈見直しについて「有識者会議の議論を待つ。期限ありきではなく、しっかりと議論を深めたい」と語った。憲法改正は「国民的な議論の深まりを踏まえて、しっかりと着実に取り組む」と答えた。
エネルギー政策に関し、化石燃料の海外依存度が高まっていることを指摘した上で「そう簡単に『原発はもうやめる』というわけにはいかない」と表明した。