【安倍政権考】
外交や政務に専念するため、首相の国会答弁の負担軽減を目指す国会改革が遅々として進まない。しびれを切らした安倍晋三首相は10月末、臨時国会開会中の平日にもかかわらずトルコを訪問。改革の先行実施をアピールしたが、野党が反発を強めている。
予算委出席180時間
首相は国会で国政に関する答弁を行う義務を負うが、現在のような長時間の拘束では、政策を熟慮することや外国で重要な国際会議に出席することもままならない。国益を損なう恐れもあり、安倍首相のイライラは募るばかりだ。
今年の通常国会では、安倍首相の衆参両院の予算委員会出席は約180時間にも及んだ。この間、安倍首相は国会に拘束され、ほかの政務をこなすことができなかった。
また、閣僚も予算委員会で安倍首相と肩を並べていた。各省の副大臣は閣僚に代わり答弁する役割を担うが、実際は野党の求めにそのまま応じて閣僚が答弁しているケースが目立っていた。