これまでの裁判で同性婚反対派は、結婚を「子供を産み、育てるための環境を整えるための制度」と位置づけ、結婚を異性間に限定することの正当性を主張。また同性婚承認が米国社会に与える影響の大きさは未知数で、慎重に取り扱うべきだとも訴えている。同性婚にはキリスト教的な価値観から反対する声も多い。一方、同性婚支持派は、結婚を出産や子育てと結びつければ、高齢者や不妊のカップルにも結婚は認められないことになるなどと反論。同性婚カップルにも結婚の権利が認められるのは当然だとしている。いずれの主張に対しても、一定の賛同が集まっているのが現状だ。
バラク・オバマ大統領(52)は現職として初めて同性婚支持を表明し、国際社会でもロシアの同性愛宣伝禁止法を強く批判するなどしている。オバマ氏やミシェル夫人(50)、ジョー・バイデン副大統領(71)が、ソチ冬季五輪の開会式などに出席しないことは、抗議の表れとみられている。しかし米国内でも同性婚をめぐる意見の違いは残っており、同性婚の全面承認に向けた道筋はいまだ整っていない。(ワシントン支局 小雲規生(こくも・のりお)/SANKEI EXPRESS)