≪柏崎再稼働で黒字1000億円≫
東京電力は総合特別事業計画で、柏崎刈羽原発の7月以降の順次再稼働を前提に2015年3月期以降1000億円台の経常利益水準が定着する収支予想を示し、料金値下げによる利益還元方針も打ち出した。
東電によると、再稼働による燃料費削減効果は1~5号機で1基当たり年間1000億~1450億円。再建計画では、新潟県中越沖地震後一度も動いておらず、新潟県が安全性を不安視している2~4号機の再稼働なしでも同水準の利益を確保できるとしたが、その場合は「値下げ余地が縮小する」とした。
6、7号機の安全審査申請で再稼働に向けた手続きが進み、将来にわたり黒字経営が維持される見通しが示されたことで、金融機関にとって融資を実行しやすい外形的な状況が整った。
東電は東日本大震災の影響で12年3月期4083億円、13年3月期3776億円と2年連続で大幅な経常赤字を出した。14年3月期は271億円の経常黒字を確保する見通しで、金融機関から融資の条件に課された3年連続経常赤字回避の目標はクリアしそうだ。(SANKEI EXPRESS)