ただ、安倍晋三首相の靖国神社参拝などで中国側が日本への反感を強め、消極姿勢から一転して記念館建設にゴーサインを出した可能性も否定できない。
韓国側は、記念館設立を朴氏が求めた石碑からの「格上げ」と宣伝。記念館の開館で中国を味方に付けたと判断し、歴史認識問題で対日共闘に自信を強めているとみられ、今後、中韓が連携して対日包囲網を形成することも予想される。(北京 川越一、ソウル 名村隆寛/SANKEI EXPRESS)
■安重根(アン・ジュングン) 朝鮮の日本への従属に反発し、抗日活動を展開した人物。1879年、朝鮮半島の黄海道海州の両班(ヤンバン、支配階級)の家に生まれ、17歳でキリスト教に入信。中国の上海やロシアのウラジオストクで義勇軍を組織するなど抗日活動を行った。1909年、中国黒竜江省のハルビン駅で到着直後の伊藤博文・初代韓国統監を短銃で射殺。翌年に死刑判決を受け、旅順刑務所で処刑された。