「誰が本当のことを言っているのか分からない」とも感じるが、1月16日から始まる平田被告の裁判員裁判では、08年に導入された被害者参加制度を使って、平田被告に法廷で直接質問するつもりだ。
事件当時、妻のおなかにいた三男は18歳になり、大学進学も決まった。「体つきや肌の色が父にそっくりで、生まれ変わりのように思える」。子供の成長を喜ぶたびに、「父がいたらどんな表情だっただろう」との考えもよぎる。マージャンをともに楽しむ「仲の良い親子」だった父と自分。そこに遺骨はないが、今も年4回の墓参は欠かさない。
「父はどんな最期だったのか。あの手紙は心からの反省なのか。法廷で直接、確かめたい」。実さんは答えを求め、法廷に立つ。(SANKEI EXPRESS)