≪「『福音書』解読 『復活』物語の言語学」(溝田悟士著)≫
なぜ複数の福音書が書かれたのか。マルコ福音書と、マタイ、ルカ福音書との記述の違いを手がかりにキリスト「復活」の謎に迫るとともに、福音書の構造を解き明かす。講談社選書メチエ、1680円。
≪「君のいた日々」(藤野千夜著)≫
〈妻を失った夫〉と〈夫を失った妻〉。ある夫婦の物語を交互に描き、ふたりのかけがえのない大切な瞬間を切り取る。大切な人を亡くした人に贈る書き下ろし長編。失って初めて気づく思いがある。角川春樹事務所、1470円。
≪「詩の波 詩の岸辺」(松浦寿輝著)≫
著者は1954年生まれの詩人・小説家。昨年紫綬褒章を受章した。本書は新聞に掲載された詩の時評などを収録。「詩は生き残ることができるのか」という問いに対する1人の詩人の苦闘の記録。五柳叢書、2415円。