つまりは、韓国司法では、憲法や条約よりも国民感情が優先され、それを自虐的に「国民情緒法」と表現しているわけだ。「道理でな…」と合点がいくのは、このところの「反日」ぶりがやたら目につくからである。
韓国の裁判所で11月1日、戦時中の徴用をめぐる判決があり、日本企業に損害賠償を命じた。言うまでもなく、1965年の日韓基本条約に伴い締結された請求権・経済協力協定では、慰安婦問題など両国間に横たわる賠償請求権問題は「完全かつ最終的に解決された」としている。条約よりも「情緒法」が大切だから、こんな訳の分からない判決が出るのだろう。
もっと言えば、盧武鉉政権が05年に慰安婦、被爆者、サハリン残留韓国人は請求権協定に含まれないとの見解を示した際、徴用工は協定に含むとしていた。この是非はともかくも、自国の政権がわずか8年前に示した見解をいとも簡単に脇に追いやるのだから、開いた口がふさがらない。
年内にも大法院判決が出るとされ、よしんば訴えが認められれば、協定そのものが空文化するのは明らかだ。ましてや、どうしても埋めきれない日韓両国の溝が決定的となり、歩み寄りなど望むべくもない事態となる。