【安倍政権考】
いよいよ参院選が公示された。伝えられている報道各社の世論調査などによれば選挙後、安倍晋三首相(58)の退陣などはよもやあるまい。となれば、首相は先々を見越し、いかなる政権運営に心を砕くのか。そのさじ加減を誤ると、このコラムのタイトル「安倍政権考」ならぬ、「安倍残念考」になるのは請け合いである。勝てる者の混迷ほど深刻なそれはないのだから。
「ねじれ」解消へ一筋
選挙結果は「神のみぞ知る」。とはいえ、公示前の情勢では、もっぱら「安倍・自民党」の優勢ばかりが伝えられ、与党で過半数を獲得し、「ねじれ国会」という政治の足かせを外せるのは、もはや確実なようである。
昨年12月に第2次安倍政権が発足して以降、巷間(こうかん)指摘されている通り、首相が「世論の離反を招かないよう、慎重の上にも慎重に政権運営をやってきた」(自民党関係者)のも、国会の「ねじれ」解消を目指し、安定政権を引き寄せたい思い一筋だったのは、疑いようがない。