一方で、核エネルギーの自給自足体制は大国を自任するイランの宿願だ。一部核施設への日常的な査察受け入れなど、合意で義務づけられた項目に反発が出る可能性があるほか、今後の交渉で制裁緩和を急いで安易な譲歩をすれば、議会から「弱腰」との批判が出るのは避けられない。(ワシントン 小雲規生、カイロ 大内清/SANKEI EXPRESS)
≪「歴史的な過ち」 イスラエル首相が猛反発≫
核合意について、イランと敵対するイスラエルのネタニヤフ首相は11月24日、首相府を通じた声明で「イランの望むものを与える悪い取引だ」と痛烈に批判。今後、武力行使も辞さない強硬姿勢を一層強めるのは必至だ。
イランが核兵器を製造できる段階に近づいているとみるネタニヤフ氏は、この日で閣議でイランへの譲歩は「歴史的な過ちだ」と、改めて主張した。今回の核協議については、直前にフランスのオランド大統領やロシアのプーチン大統領と相次いで会談し、制裁緩和には一切応じないよう働きかけてきた。