ただ、イランにウラン濃縮の権利を認めるかどうかを棚上げし、一部のウラン濃縮活動を容認したことで「イランの能力を適切に制限できていない」(共和党のカンター院内総務)との批判が出ている。
制裁緩和への反発も強い。オバマ政権は、緩和でイランが享受する経済効果は70億ドル(約7000億円)と極めて限定的と主張するが、ルビオ上院議員(共和党)は「議会が追加制裁に動く緊急性が増した」と早くも不快感をあらわにした。
長年敵対してきたイランが合意を順守するかも不透明で、議会の批判をかわしながら、より包括的な合意にこぎつけられるのか、オバマ外交の真価が今後半年で問われることになる。
一方、イラン側はウラン濃縮の権利を主張することで面目を保ちつつ、本格的な制裁緩和に一応の道筋をつけた形だ。
「神の恩寵(おんちょう)と国民の支持が協議の成功につながった」。イランのメディアによると、最高指導者ハメネイ師は24日、こう述べて合意内容を歓迎した。