世界最強、ニュージーランド代表のオールブラックスを東京・秩父宮ラグビー場に迎えて11月2日、日本代表とのテストマッチが行われた。
2019年にラグビーのワールドカップ(W杯)日本開催を控えて、なんとも危険なマッチメーク。1995年W杯では17-145で大敗し、国内のラグビー人気を急速にしぼませた因縁もある。2年前のW杯でも7-83で敗れた。ここでまた惨めな試合をすれば、日本ラグビー界の将来を奪う可能性もあった。
それでも秩父宮のスタンドを満員にさせたのは、現在のジャパンに対する期待の大きさだった。知将エディ・ジョーンズをヘッドコーチに迎え、ジャパンは変身を遂げつつあった。6月には、同じ秩父宮でウェールズを相手に23-8で歴史的白星を挙げた。試合前の選手紹介では、オールブラックスのスーパースター、主将のリッチー・マコウよりも、カムバックしたSOダン・カーターよりも、脳梗塞で入院中のエディ・ジョーンズの紹介が最高最大の歓声と拍手を浴びた。
試合開始早々、相手スクラムをジャパンが押してボールを奪った。魂のタックルが黒衣軍団の突進を止め、ラインアウトも安定していた。FB五郎丸歩の確実なPGで前半20分までは互角の展開といえた。