だからでしょうか、彼女は驚くほど人当たりがよく、人の話に耳を傾けその気持ちに寄り添おうとする姿勢が印象に残りました。まさにモテるオーラが出ていました。
実は、「モテる東大女子」(娘)を育てたこの母親の教えは、近年、注目されている「サーバント・リーダーシップ」に通じるものがあります(参考記事 http://president.jp/articles/-/15523)。
サーバント・リーダーシップとは、通信会社AT&T社でマネジメント教育を行ってきたロバート・グリーンリーフが提唱した「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学。サーバントリーダーは、「奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出す」と言われています。
「モテ女性」は最新のビジネス哲学を持っている
日本サーバント・リーダーシップ協会HPには、サーバント・リーダーシップに必要な特性として、
・相手の立場に立って気持ちを理解する「共感」
・傷ついた組織のメンバーに本来の力を取り戻させる「癒し」
・自分が利益を得ることよりも相手に利益を与えることに喜びを感じる「執事役」
・仲間の成長を促すことに力を尽くす「人々の成長への関与」
などを挙げています。
執事役は「利他性」、人々の成長への関与は「母性」にも言い換えることができます。共感・癒し・利他性・母性……。こう並べてみると、サーバント・リーダーシップに必要な要素はとても女性的です。
ということは、小中学生の女の子の子供を持つ母親は、サーバント・リーダーシップを意識して社会のリーダーとなれる女の子を育てていけばいいのかもしれません。そのことで、「頭脳(勉強)」に加え、「モテ力(愛され力)」もつき、その結果、親が理想とする仕事方面も異性方面も両立できる「大人の女」に育てることができるのです。
そうれば当然のこと、勉強や仕事に邁進する娘に「冷や水」をかけてしまい、関係悪化することもなくなるのではないでしょうか。
(森下和海(プレジデントFamily編集部)=文)(PRESIDENT Online)