そしてもうひとつ、乗る前から期待していたのが写真家・石川直樹さんの作品が展示された14号車だ。石川直樹さんといえば、北極から南極まで踏破したり、世界七大陸の最高峰に登頂するなど世界的な探検家としても知られている。エベレストの山頂まで行った人が、それに比べればずっと身近で行きやすい新潟で何を見つけ、どう切り取ったのだろう。新潟の車窓と向かい合って並んだ作品は、まぶしい光を受けてきらきら輝いていた。
■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら