【江藤詩文の世界鉄道旅】アントワープ中央駅(2)“世界一美しい駅”はクラシック&モダンなデザインの融合 (1/2ページ)

2016.6.12 18:00

ホームの待ち合いスペースもモダンな設計

ホームの待ち合いスペースもモダンな設計【拡大】

  • まるで電車のショーケースのようなホームのデザイン
  • 両サイドのエスカレーターは鉄道鑑賞にぴったり。眼下をタリスが走り抜けて行った
  • 薄暗い待合室を抜けると、自然光が降り注ぎ開放感のあるホームがぱあっと広がる
  • アントワープ中央駅は各方面へのターミナルになっている

 いかにも19世紀のヨーロッパらしい色大理石の宮殿、じゃなかった待合室を抜けてプラットフォームへと進むと、そこには鉄骨とガラスで組み立てられた現代的な空間が広がっていた。何この大胆な展開は。重厚感のある石造りと、硬質で近代的な鉄骨&ガラス。アールが美しい曲線の優しさとすっきりとエッジの立った直線の潔さ。なんだか19世紀から20世紀へとタイムスリップしたような気がする。まるで時代を経て、継ぎ足してつくられたような設計だが、どちらも建築家ルイ・デラサンセリの設計によって一気に建てられたというからすごい。待合室の部分は宮廷文化を、ホームは産業革命を象徴しているといわれ、折衷様式の建築デザインは神々しささえ漂わせ「鉄道の大聖堂」と称えられているそうだ。

 3層に重なったホームには、“ルージュトレイン”ことタリスをはじめ国際列車や近郊列車など、色とりどりの車両がひっきりなしに発着する。柱で垂直に区切られた空間は、まるで窓が開いているようで、なんだか“列車のショーウインドウ”を眺めている気分。ホームのすぐそばにはカフェやショップが並んだフロアは、“音鉄”にはたまらないだろう。

 各フロアを結ぶモダンなエレベータもあるが、列車のすぐそばを行き来するエスカレーターが断然楽しい。上がったり下がったりを何度も繰り返していると、踊り場にあるスナックを売る屋台の青年が手招きする。ホットドッグやピッツァと並んで、生クリームやチョコレートソースをトッピングしたワッフルがあるのがベルギーらしい。

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。