【江藤詩文の世界鉄道旅・夏休み特別企画】GENBI SHINKANSEN 現美新幹線(1)夏休みに乗りたい! 世界最速の“現代アート美術館” (2/2ページ)

2016.6.19 18:00

カラーグラデーションが美しい蜷川実花さんのアート。鈴木直之さんによるロゴもいい

カラーグラデーションが美しい蜷川実花さんのアート。鈴木直之さんによるロゴもいい【拡大】

  • 秋田新幹線に合わせて、プラットフォームに乗降口の目安や柵を設置した
  • 越後湯沢駅助役の森田さんをはじめ、みなさん笑顔で快く記念撮影に応じていた
  • ベースの車両はE3系。「こまち」とずいぶん違う印象だ。こちらは黒づくめでクール
  • これが「GENBI SHINKANSE/現美新幹線」の両サイドの全景。私が見たのは上。確かに下のアートも捨てがたいような…

 黒がベースの車体を華やかに彩るのは、写真家で映画監督の蜷川実花さんの作品だ。長岡花火をモチーフにしたアートで、独特の艶やかな発色が“蜷川実花の世界観”を表現している。越後湯沢駅のホームで、にこやかに手を振りながら「GENBI現美」を見送る駅員さんたちと並び、走り去る「GENBI現美」の姿を目に焼き付けた。めくるめく色にうっとりしていると、つかつかとやって来たのは、デビュー以来「GENBI現美」を見守り続けているという初老の警備員さん。なんでもこの列車は逆サイドのアートがまたすばらしく、両面を見てはじめて「GENBI現美」を見たことになるとか。

 なるほど……。手の届かないブドウは酸っぱいし、逃した魚は大きいもの。ポスターで確認した“見られなかった片面”は、私が見た側より美しい……ような気がする。

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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