【江藤詩文の世界鉄道旅】タリス(1)時速300キロで駆け抜けるセクシーな“ルージュトレイン” (2/2ページ)

2016.5.15 18:00

多くの列車が発着するアントワープ駅でも、ひと際色っぽいタリス

多くの列車が発着するアントワープ駅でも、ひと際色っぽいタリス【拡大】

  • アントワープ駅を出発
  • 夜はかなり雰囲気があるだろうと思わされる色遣いの「コンフォート2」
  • スーツケース置き場は広いが、それでも荷物が溢れていた。ここに座るハメにならなくてよかった……

 客車は一等車に相当する「コンフォート1」と二等車の「コンフォート2」の2クラス制で、コンフォート1は通路を挟んで1席+2席、コンフォート2は2席+2席、シートピッチにもかなり差がある。さらにコンフォート1はシートがリクライニングできたりフットレストもあり、その快適度合いの差は飛行機で例えるならエコノミークラスとプレミアムエコノミークラス以上はありそうだ。そのうえコンフォート1は時間帯によって朝食、軽食、ランチ、ディナーがサービスされる。私は迷わずコンフォート1を購入しようと思いきや、なんと満席ではないか。日本でいえば新幹線通勤にあたるのだろうか。私が乗車した時間帯は国境を超えての通勤客が多いそうで、嬉しかったはずの“電車で気軽に外国”へ通勤できる距離感が恨めしい。

 ちなみに昼食と夕食にはワインやビールもつくとか。さすがヨーロッパ。

私は“満員の二等車の通路側”という、乗り鉄にはあまり好ましくないシートにやむなく乗り込んだ。

■取材協力:ベルギー・フランダース政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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