【江藤詩文の世界鉄道旅】香港MTR・エアポートエクスプレス(1)“空港ギリギリ派”には嬉しすぎるチェックイン・システム (2/2ページ)

2016.4.24 18:00

片道乗車券のほか、往復割引券やMTR・ライトレール・MTRバスが乗り放題になるトラベルパスなどさまざまなタイプの乗車券がある

片道乗車券のほか、往復割引券やMTR・ライトレール・MTRバスが乗り放題になるトラベルパスなどさまざまなタイプの乗車券がある【拡大】

  • 九龍駅構内に設置されたチェックインカウンター
  • まるで空港のようなフライトインフォメーション・ボード
  • 案内係のスタッフは、わかりやすいきれいな英語を話してくれる。日本語のパンフレットも用意されていた
  • 自動券売機もある

 というわけで、行きもとっても便利なエアポートエクスプレスだが、そのありがたみをもっとも実感できるのはむしろ帰りだ、と個人的には思う。九龍駅と香港駅では「インタウン・チェックイン」というサービスを導入していて、主要なエアラインに搭乗するのであれば、駅でチェックインをしてスーツケースを預けられるのだ。そしてここがポイントだが、搭乗手続きをして荷物を手放してから、もう一度市内に出ることができるのだ。もちろん、すでにチェックインは完了しているので、カウンターに並ぶ時間を見込んで空港に早めに到着する必要もない。保安検査や出国手続きのための時間は必要だけれど、極端にいえばボーディングタイムに間に合えばいいわけだ。

 利用者が多い時間帯なら10分間隔で出発していて、基本的には定時運行が見込めるのもありがたい。駅を出ればすぐ繁華街なので、「茶餐廳(チャーチャンテン)」と呼ばれる香港式の庶民派カフェレストランに入り、コーヒーと紅茶を混ぜた不思議な飲み物「鴛鴦茶(ユンヨンチャー)」といった香港らしいB級グルメを味わいつつ名残を惜しむのが私の楽しみ方だ。ちなみに、身軽さゆえに路面店でマンゴーシェイクなどを調達して車内に持ち込みたくなるが、エアポートエクスプレスの車内は飲食禁止なのでご注意を。

■取材協力:香港政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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