北京に来たからには、どうしても行きたいところがあった。それは“万里の長城”。ベタですみません。でも初めて北京を旅行するなら、ツーリストのほぼ全員が外したくない観光スポットなのではないだろうか。
春から夏にかけては、それこそ身動きの取れないほど混雑する。そう聞いてあえて氷点下10度以下を連日のように記録している真冬の北京に飛び立った。万里の長城へのアプローチは、もちろん鉄道。北京と万里の長城の起点を結ぶ列車「和諧長城号」が1日10往復ほどと頻発しているのだ。「和諧長城号」というドラマティックなネーミングも旅情をそそる。
私が乗車したのは、先頭から機関車、一等車3両、食堂車(売店)、二等車3両、機関車の9両編成。それなら行きは一等車、帰りは二等車を乗り比べてみたいと思ったが、真冬は寒すぎて空いている…はずだったのに、一等車はすでに売り切れ。立ち乗りも覚悟で二等車のきっぷを購入した。しかし後でわかったことだが、一等車の座席に空きがあれば、座ってしまって構わないそうで、いったい何のためにクラスが分かれているのか。なんだかキツネにつままれた気分。