【江藤詩文の世界鉄道旅】香港MTR・軽鐵(ライトレール)(1)香港で見つけたもうひとつの“路面電車” (2/2ページ)

2016.4.10 18:00

ライトレールは1両または2両編成。「友愛」なんてかわいい名前の駅もある

ライトレールは1両または2両編成。「友愛」なんてかわいい名前の駅もある【拡大】

  • ライトレールも含め、MTR南昌(ナムチョン)駅-屯門(チュンムン)駅間が1日乗り放題の乗車券は26香港ドル(約413円)
  • いまやほとんどの人がICカード式の「八達通(オクトパスカード)」を使っているので窓口はわりとすいている
  • MTRのWi-Fiは簡単に接続できて速度もじゅうぶん

 さらに私の背中を押したのが、このひと言。「新界には、香港島のトラムのように、地元の人の足として活躍している路面電車がありますよ」。これはもう行くしかない。

 ライトレールの乗車券を購入するために、窓口へと足早に向かう。「目的地はどちらですか」と女性係員が優しく微笑んだ。新界には観光地があまりなく、行き先によってはバスを利用したほうが早いこともあるので、スマホでベストルートを調べてくれると言うのだ。ち、違うんですよ。バスがどんなに便利でも、私はライトレールに乗りたいの。特に目的地はありません。「…で、でしたら乗り放題の乗車券がございますが」。あ、いま明らかに引きましたよね…。 

 それでも彼女は気丈に笑顔を保ち、スマホ画面を見せながらこう言った。「初めて行かれるのでしたら、こちらの『MTRモバイルアプリ』をダウンロードされると、路線図が表示され迷われないかと思います。駅構内のホットスポットでネットに無料で接続していただけます」。最後まで親切な彼女に、私はとても言えなかった。「Wi-Fiルーターを持ち歩いているから、もうとっくに接続している」なんて。

■取材協力:香港政府観光局

■江藤詩文(えとう・しふみ) 旅のあるライフスタイルを愛するフリーライター。スローな時間の流れを楽しむ鉄道、その土地の風土や人に育まれた食、歴史に裏打ちされた文化などを体感するラグジュアリーな旅のスタイルを提案。趣味は、旅や食に関する本を集めることと民族衣装によるコスプレ。現在、朝日新聞デジタルで旅コラム「世界美食紀行」を連載中。ブログはこちら

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