40代を中心に靴下にこだわる男性が増えている。靴下選びを妻任せにせず、履き心地や色柄などのデザインを見極めて高級志向の一足を「自分買い」する。パンツと靴の間にちらりとのぞくおしゃれが脚光を浴びている。(玉崎栄次)
高価格でも売れる
「1千円の壁」。百貨店の紳士用靴下売り場には、こんな言葉がある。靴下は消耗品だ。1足1千円以上の商品を手にする人は少なかった。また、本人の代わりに妻など周囲の女性が購入するケースが多く、男性には選択権がなかった。だがここ数年、そうした“常識”は覆されつつある。
高島屋日本橋店(東京都中央区)では3年ほど前から、3千~5千円の高価格帯の靴下を購入する男性客が目立つようになった。白いパンツや紺色の革靴など、ビジネスシーンでもファッションの幅が広がり、靴下にまで気を配る男性が増えてきたという。
「ネクタイのように、全体の印象をがらりと変えられるアイテムとして求められるようになってきた」。高島屋MD本部の小田原拓也紳士服・雑貨バイヤーは、最近の傾向をこう分析する。