わっしょい! という掛け声と笛太鼓の中、男たちが担ぐ重さ200貫(750キロ)の神輿(みこし)の後を高さ4メートルの花車、武将や鉄砲隊にふんした550人の行列が続く-。今年10月に行われた広島東照宮「通り御祭礼」の模様です。
御祭神の徳川家康公没後50年ごとに行われていましたが、1815年を最後に明治維新や第1次世界大戦、原爆など激動の渦にのまれて途絶えていました。それが家康公没後400年と被爆70年の今年、200年ぶりに正式復活したのです。
神輿は原爆での消失を免れた江戸期のもの。花車は江戸末期の広島のようすを記した「知新集」の絵から作成、3年かけて復元されました。半永久的に車輪が歪まないよう内部にワイヤーを施すなど、平成の匠の技術が集約されています。
7万5千人が訪れた祭絵巻にも変化があります。女人禁制が解かれ女性が初参加しました。
神輿と花車が並ぶ姿を見られたのは1日限りでしたが、大晦日(おおみそか)から1月7日までの初詣期間中は一般公開されます。広島東照宮は唐門・翼廊・手水舎・本地堂・御供所・脇門・麒麟獅子頭そして神輿と1648年の創建時のままです。広島に残る「江戸」を間近で見る絶好の機会になりそうです。
<プロフィル>
しみず・のぶよ 山口県出身。FMきらら、山口朝日放送などで活動し、現在は広島県でフリーアナウンサーとして活動中。
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