世界保健機関(WHO)は4月30日、抗生物質が効かない薬剤耐性菌が世界各地で広がっているとの報告書を発表した。フクダ事務局長補はジュネーブでの記者会見で「貧困国など一部の国だけでなく、あらゆる国で拡大している。極めて深刻な状況だ」と強調した。
報告書は、抗生物質の処方を必要最低限に抑えるよう医療従事者らに忠告。一般の患者にも、医師が処方した時のみ抗生物質を使用するようにと呼び掛けている。
WHOは114カ国からのデータを基に調査、報告書を作成した。日本やフランス、南アフリカなどでは淋病の治療でセファロスポリン系の抗生物質が効かないケースが確認された。
強力な抗菌薬カルバペネムが効かない肺炎桿菌も世界的に広がっており、一部の国では半分以上の感染者に効かなかったという。(共同)