同様の治療をバージャー病で手足に潰瘍や壊疽ができた患者10人に行ったところ、9人が完治し、1人は改善途中にある。症状の特徴として安静時や歩行時に強い痛みが出ることがあるが、これも全員改善した。
中でも、40代の女性は右足指2本が壊疽になり、足全体に眠れないほどの激しい痛みがあった。このため、膝下から切断する外科手術を受ける予定だったが、手術の数日前、同センターを訪ねた。そこで、この治療を受けたところ、痛みは速やかに軽減。足を切断せず、1カ月半で完治して退院したという。
さらなる技術開発
今後の課題は、いったん広げた血管が再び閉じないようにする技術の開発だ。再狭窄(きょうさく)を防ぐ薬剤を塗った風船を使ったり、極細の血管で使えるステント(金属性の筒)を開発して挿入したり、さらに、異物とならないように一定の期間で分解され、体に吸収される素材のステントを開発したりする必要があるという。