生野菜を味わう
阪口さんに簡単にできる五辛盤を教えてもらった。中国では小麦粉から春餅の皮を焼くが、自宅で手軽に作るにはギョーザの皮を軽く焼いて代用する。野菜だけでは味気ないため、スライスした鶏の照り焼きを一緒に巻くとシャキシャキした野菜と肉のうま味が広がり、食べ応えがある。
中国では、お節のように冷たい食事を出すことはなく、ほとんどの料理は温めて出す。ただ、「立春のダイコンはナシ(梨)のようにうまい」とも言われ、春ダイコンを生で食べる「咬春(ヤオチュン)」(春を飲み込むという意味)という習慣もあるという。
阪口さんは「食べ物を知ることはその人のルーツを知ること。食べ物をきっかけに仲良くなったり、気持ちが通じ合ったりするのはとても気持ちの良いこと」と話している。