短時間だが
主婦を中小企業経営者の「右腕」として活用する動きもある。
主婦向けの人材派遣会社、ビー・スタイル(新宿区)が昨年9月に始めた「エグゼパート」では、登録した主婦を経理や人事、営業、販促、企画部門の責任者などとして主に中小企業に派遣・紹介。対象は、「かつて年収500万円以上を得ていた高い能力、経験を持つ主婦」。子育てとの両立などのため、「週3回、午前10時~午後4時」といった短時間勤務が多いが、インターネット関連会社など勢いのある中小・ベンチャー企業などで活躍しているという。
同社の川上敬太郎さんは「中小企業は優秀な人材を求めている。結婚や出産でキャリアの継続を諦めていた主婦はぜひ挑戦してほしい」と話している。
受け入れる環境、公的に整備を
大手シンクタンク、大和総研の河口真理子首席研究員の話「高い学歴、キャリアを持つ女性が専業主婦となっているケースは少なくない。子育て中だと勤務地やフルタイムで働く勤務時間がネックとなるためだ。ビジネスマナーが身に付き、語学力や交渉力、専門性などがある人材は中小企業での活躍が期待できる。子育て中の主婦と中小企業をマッチングする場が広がればキャリアアップの励みにもなる。ただ、中小企業で特定の人のみ短時間勤務が認められると職場に軋轢(あつれき)が生じかねない。子育て中の主婦などが受け入れられやすい雇用環境を公的に整備すべきだろう」