身を持ってブラック企業がどんなところか体験したという男性はこう話し、企業への面接会場を後にした。この男性のようにブラック企業への過剰な警戒感が、情報が不足気味の中小企業を避ける動きにつながっている面も指摘されている。
危機感を抱いた厚労省は今年度から「若者応援企業」の認定制度など安心して働ける中小企業と若者の橋渡しをする取り組みも進める。
厚労省の対策は急ピッチで進んでいるが、多くの問題を内包しているブラック企業を完全になくすことは容易ではない。しかし、将来の国の担い手である若者をつぶしてしまうような企業を1社でもなくし、働きやすい労働環境を整えることは国の責務にもなりつつある。