JR東京駅前を走る「はとバス」の車両(同社提供)【拡大】
東京や横浜の観光地を巡る「はとバス」人気が復活している。都心部が中心の東京観光コースは昨年秋から乗客が急増し、6月末までの1年間で93万4306人に達した。前年同期より9・6%多く、バブル期に並ぶ勢い。五輪・パラリンピックを控え、担当者は「最大のチャンスだ。さらに右肩上がりが予想できる」と期待、五輪関連のツアーを企画する予定だ。
はとバスの東京観光は、1970年代半ばからは年間80万人前後で推移。好景気の89年度(平成元年7月~2年6月)は94万4872人まで増えたが、その後は2001年度の約52万人まで落ち込んだ。
一方、全体の1割を占める訪日外国人旅行者向けコースは、前年同期(平成27年7月~28年6月)より5・6%少ない8万3879人。特に中国語で案内するツアーは24・6%減の1万5267人に低迷した。中国からの観光客が地方へ分散した影響とみられる。
訪日客の増加により都内のホテルでは客室不足や料金高騰が続いていたが、最近では値下げの動きも出るなど宿泊事情が改善に向かい、地方からの客足も戻ってきているという。