JTBが、訪日外国人客向けの国内ツアーで勝負をかけようとしている。北海道から九州までを網羅する全48コースのバスツアーを新年度から本格的に展開しているが、ツアーにもかかわらず途中参加や途中離脱も可能のほか、1人でも成立するという斬新なサービスが売りという。「将来的にはバスとフェリーを使ってシンガポールまで結ばれる」という壮大なビジネスモデルの成否やいかに-。
ツアーは欧州で普及する「乗り合い型ツアー」のノウハウを取り入れた。日本人にはあまりなじみのない形態だが、言い換えれば「観光バスを地下鉄のように定期巡回させるもの」(JTB)で、訪日客は行き先を決めたら定期運行されるバスを乗り継いで目的地に向かう。路線バスと違うのは、バスごとに英語などを話す通訳案内士が同乗し、観光スポットでの案内を務めてくれる点だ。
基本ルートは、(1)東京・関東~東北~札幌循環(1周10日間)(2)東京・関東~中部~京都循環(8日間)(3)大阪~高野山~京都循環(5日間)(4)大阪~広島~四国(6日間)(5)韓国~下関~広島~福岡循環-の5つで、各ルートは主要都市でつながるためルートをまたいだコース設定が可能。ツアーの一部だけ参加することもできるという。