宿泊先はJTBが提携するホテルや旅館などを紹介する予定で、価格の一例では、13日間のコースが宿泊代を含めて約3920ユーロ(約47万円)。すでに欧州や東南アジアも含めた20カ国で、4月8日スタートの東京~京都循環ツアーの販売を始めた。17年度中に5000人の販売を見込むほか、5年後に数万人規模の顧客獲得を目指す。
JTBが異色のツアー販売に踏み切ったのは、従来型のツアーでは訪日客の地方誘客に限界があるとの危機感からだ。
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■自由度高く地方の「隠れた名所」発掘
政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに訪日客数を4000万人とする目標を掲げる。だが都市部の宿泊施設は需給が逼迫(ひっぱく)している一方、2次交通などの未整備もあり地方誘客は不十分だった。JTBグローバルマーケティング&トラベルの座間久徳社長は「訪日客もはるばる来日したなら各地を回りたいはずなのに、自由度の高いツアーがこれまでなかった」と分析する。