スパコン「京」に思わぬ難題 関電の電気代値上げ、STAP余波など直撃 (3/3ページ)

2015.3.1 07:02

理化学研究所のスーパーコンピューター「京」。電気代の高騰に頭を悩ませる=神戸市中央区

理化学研究所のスーパーコンピューター「京」。電気代の高騰に頭を悩ませる=神戸市中央区【拡大】

 だが、27年度は計算科学研究機構の予算が4千万円強削減される見込み。理研元研究員の小保方晴子氏によるSTAP細胞の論文不正問題で理研への風当たりが強まり、文部科学省が理研全体の予算で異例の減額要求したことなどが背景にある。機構は「今後の光熱費対策を考えると頭が痛い」と話す。

 京はかつて計算速度で世界最速を誇ったが、今は4位。政府は京の100倍の計算速度をもつ次世代機を開発中だが、当面は「京頼み」が続くうえ、次世代機は、京よりも消費電力がかさむ。スパコンの運営が立ち往生すれば日本の科学技術振興にかかわるだけに、研究者らの不安も募っている。

 【京】

 理化学研究所と富士通が共同で開発したスーパーコンピューター。国の主導で世界1位の計算速度を目指して開発が始まり、総事業費約1120億円で平成24年9月、神戸市の人工島・ポートアイランドで本格稼働した。計算速度は1秒間に1京(京は1兆の1万倍)回。脳の神経回路の様子を再現する世界最大のシミレーションなどの学術利用のほか、自動車の車体設計など民間企業の利用も進んでいる。

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