次官セクハラ問題、社員は複数回上司に相談 テレ朝社長「適切な対応できず反省」

定例会見でセクハラ問題について言及したテレビ朝日の角南源五社長(右)と篠塚浩報道局長=24日、東京・六本木(宮越大輔撮影)
定例会見でセクハラ問題について言及したテレビ朝日の角南源五社長(右)と篠塚浩報道局長=24日、東京・六本木(宮越大輔撮影)【拡大】

 財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題について、セクハラ被害を受けたとされるテレビ朝日の女性社員が、上司に被害を複数回訴え、約1年前から福田氏への1対1の取材を控えていたことが24日、分かった。角南(すなみ)源五同社社長が同日の定例会見で発表した。

 角南社長らによると、女性社員は取材目的で1年半前頃から、福田氏と数回会食。その都度セクハラ被害を受け、2回目以降は録音していた。上司に複数回相談し、約1年前からは夜の単独取材は避けていた。

 今月4日になって、森友学園への国有地売却問題で他社が独自ニュースを報じたことから、デスクが裏付け取材を指示。女性社員は、福田氏から電話を受けたため、デスクに報告の上で福田氏に単独取材をした。その際も多数のセクハラ被害を受けたため、途中から録音を始め、後日、上司に被害の報道を訴えた。

 角南社長は、「適切な対応ができなかったことは深く反省している」と誤りを認めた。隠し録りについては「公益目的からセクハラ被害を訴えたもので、心情は理解できる」と擁護。一方、週刊新潮への情報提供については、「取材活動で得た情報と録音が第三者に手渡される結果となったことについては遺憾に思う」とした。

 女性社員や上司らへの処分については「調査中」と明言を避けた。また、セクハラ被害を上層部が知っていた場合、自社で報道したかを重ねて問われると、「分かりません」と答えた。

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