アディーレ「手段の悪質性際立つ」と認定 東京弁護士会の懲戒委員会 処分理由の詳細判明 (1/2ページ)


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 弁護士法人「アディーレ法律事務所」の広告が景品表示法違反(有利誤認)にあたるとして、東京弁護士会が法人を業務停止処分とした問題で、処分理由の詳細が29日、産経新聞が入手した同会懲戒委員会の議決書で分かった。懲戒委は法人に「重大な過失」があったと認定。事実と異なる広告の掲載は「長期間にわたって反復継続された組織的な非行」で、「手段の悪質性が際立つ」と判断した。

 問題とされたのは平成22年10月以降、インターネットに掲載された広告。約1カ月ごとの期間限定で過払い金返還請求の着手金を無料または割引にするなどとするキャンペーンを繰り返し、実際には約4年10カ月にわたり広告を掲載していたとして同会が今月11日付で法人を業務停止2カ月、元代表の石丸幸人弁護士を同3カ月の処分とした。

 議決書によると、法人が「故意・過失はなかった」と主張したのに対して懲戒委は、過去に別の広告で同会の調査を受けており、「広告が景表法などに違反するか注意を払っていたというべきだ」として「少なくとも重大な過失が認められる」と指摘。また、広告掲載はすべて「石丸氏の指示・承認を受けて実施されたものだった」とした。

 懲戒委は、アディーレの報酬総額が21年10月から27年7月までで約268億5400万円に上り、「取扱件数も桁外れで社会的影響は極めて大きい」と判断。広告が複数回更新され、サービス内容の変更も3回にわたることなどから、こうした広告を利用した集客行為には悪質性があるとした。

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